解夏

土曜日に地上波でやってた「解夏」を見る。
これ、映画館で見たかったんだよね。
ああいう坂が多くて海の見える景色っていいよね。
盆地で山に囲まれた所で生まれ育った身としては、憧れる。



ああいう状況になったら、誰でも黙って姿を消すと思う。
それか嫌われるようなことをするか。
「俺の目になってくれ」とか言えないし、
これから何十年も一緒になることを考えると、絶対けんかするだろうし、
そうなったら負い目を感じると思う。
一人なら、「目が見えなくなったら恐怖から解放される」
かもしれないけど、二人なら、しんどいんじゃないのか?
そう思った。
それでも、こういう風に思ってくれる人がいるっていうのはいいなぁって思う。
彼女を作ろうかと、そう思った。


でも、林さん、いい人だなぁ。
たしかに、確実に進行する病気に怯えてる人にとってはものすごく楽になる言葉だろうと思う。
「目の病気です」と言った後の「そりゃあ大変ですねえ」的な返しも、
「ほんまにぃ〜、若いのにかわいそうねぇ〜」
っていう、中途半端な同情じゃなかったのがよく伝わった。
「(母親にもなかなか言い出せなかったのに)あの人になら病気のことを言えた」っていう男の人の気持ちがすごくよく分かった。



ずっと前、針治療をしている人の家に仕事に行って、
洗面台の下の水が漏れるから受け皿を取り付けてほしい。
っていうので、作って取り付けようとしたら、濡れてたから、
「何か拭くものありますか?新聞紙とか。」
と言ったら「うちは新聞取ってないんですよぉ〜」って言ってて
当時はネットも普及してなくて、ネットで新聞を見るなんてできなかったし
変な人だなぁ。って思ったら、目がおかしいことに気付いた。
目が見えない人だったんですね。
ものすごく言ってはいけないことを言ってしまった気がしながら、
タオルを渡された記憶がある。
その人は夫婦そろって見えなかった。
でも子供は目が見えていた。
その時18歳、とてもカルチャーショックを受けたのを覚えてる。